「申請に当たっての説明書」とは
「申請に当たっての説明書」は、在留資格「経営・管理」の申請書本体とは別に、事業に必要な許認可、日本語能力、公租公課の履行状況等を整理するため、出入国在留管理庁が参考様式として案内している書類です。
2025年10月16日に「経営・管理」の許可基準等が改正され、その後の現行提出書類では、申請区分と所属機関カテゴリーに応じてこの説明書が案内されています。「参考様式」という名称は、当然に提出しなくてよいという意味ではありません。一方、すべての申請人が同じ様式を一律に提出するという意味でもありません。
2026年8月31日に公式様式を確認したところ、説明書は大きく次の2系統です。
- 在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請用:事業に必要な許認可と、日本語能力を確認する構成
- 在留期間更新許可申請用:公租公課の履行状況、日本語能力、事業に必要な許認可を確認する構成
つまり、「許認可用」「日本語能力用」「公租公課用」という3種類の別々の説明書ではなく、申請区分別の様式の中に、それぞれの確認欄があります。
なお、申請人が事業の管理に従事する場合に案内される「所属機関の代表者に関する申告書」や、更新時に提出することがある直近の活動内容を説明する任意様式の文書は、この説明書とは別の書類です。
まず申請区分と所属機関カテゴリーを確認する
同じ「経営・管理」でも、申請の目的と所属機関カテゴリーにより提出資料が異なります。最初に、自分がどの申請区分に当たり、所属機関がどのカテゴリーに該当するかを確認します。
| 申請区分 | 主な対象 | 確認する公式一覧 | 説明書の主な確認目的 |
|---|---|---|---|
| 認定 | 海外から日本へ来て、新たに「経営・管理」の活動を始める方 | 認定・カテゴリー3/4の提出書類チェックシート | 事業に必要な許認可、日本語能力 |
| 変更 | 日本国内で、別の在留資格から「経営・管理」へ変更する方 | 変更・カテゴリー3/4の提出書類チェックシート | 事業に必要な許認可、日本語能力 |
| 更新 | 「経営・管理」で引き続き在留し、現在の活動を続ける方 | 更新・カテゴリー共通の提出書類チェックシート | 公租公課の履行状況、日本語能力、事業に必要な許認可 |
現行の提出書類チェックシートでは、説明書の提出欄はカテゴリー3・4に示されています。カテゴリー1・2を含め、所属機関区分の定義や提出資料を過去の記憶だけで判断せず、申請時点の出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」から確認してください。掲載されていない資料を追加で求められる場合や、個別事情により取扱いが異なる場合もあります。
許認可に関する確認
飲食店、古物営業、建設業、人材紹介など、事業内容によっては営業を始める前に許可、認可、免許、登録、届出等が必要です。説明書では、申請に係る事業について必要な許認可等の有無と取得状況を確認します。
許認可が必要な場合は、説明書の記載と許可証等をそろえるだけでなく、資料間の不一致を防ぐため、実務上、次の点も確認します。
- 許可等の有効期間が切れていないか
- 許可名義が実際の事業主体と一致しているか
- 会社名、代表者、所在地、営業所等が現在の登記や事業実態と一致しているか
- 変更届、更新、追加の許可等が必要でないか
- 実際に行う事業が許可等の範囲に含まれているか
未取得、申請中、取得不要のいずれであっても、都合のよい説明を作るのではなく、実際の事業内容と所管行政庁の制度を確認します。業種の境界にある事業は、必要に応じて所管行政庁へ照会します。
説明書、事業計画書、定款、登記、賃貸借契約書、Webサイト等で事業内容が食い違うと、追加説明が必要になることがあります。
日本語能力に関する確認
改正後の基準では、申請人本人または、基準上の対象となる常勤職員のいずれかが、CEFR B2相当以上の日本語能力を有することを確認します。説明書では、誰の日本語能力によって要件を確認するか、その人の立場と立証方法を整理します。なお、事業規模の基準で雇用が求められる「常勤職員」と、日本語能力要件を満たす者として認められる「常勤職員」では対象となる在留資格の範囲が同じとは限らないため、個別に確認します。
公式案内には、日本語能力試験N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上のほか、日本での一定期間の在留歴や、日本の学校を卒業した経歴等による確認方法が示されています。どの方法を使う場合も、該当性を自己判断だけで決めず、申請時点の基準と証明資料を確認します。
申請内容によっては、次のような資料を組み合わせます。
- 試験の合格証や成績証明書
- 日本での在留状況を確認できる住民票等
- 学校の卒業証明書等、身分や経歴を確認できる資料
- 日本語能力を有する方が申請人以外の常勤職員である場合の雇用・賃金支払関係資料
単に「日本語が話せる」と書くだけではなく、説明書に記載する人物、要件を満たす根拠、添付資料を一致させます。日本語能力の要件全体は、経営・管理の在留資格ページでも整理しています。
更新時の公租公課に関する確認
在留期間更新許可申請用の説明書には、所属機関における税、労働保険、社会保険等の履行状況を確認する欄があります。法人と個人事業では確認する税目や保険関係資料が異なり、従業員の有無、雇用形態、事業の種類等によって適用関係も変わります。
確認の対象には、案件に応じて次のようなものがあります。
- 労働保険への加入状況と納付状況
- 健康保険・厚生年金保険等の社会保険への加入状況と納付状況
- 法人税、所得税、消費税、源泉所得税等の国税
- 法人住民税、個人住民税、事業税等の地方税
- 個人事業の場合の国民健康保険等
公式の提出書類一覧は、「該当する全ての資料」を提出するよう案内しています。一方、すべての事業者に同じ保険や税が適用されるわけではありません。まず適用の有無を確認し、説明書、加入状況を示す書類、納付を示す書類、税の証明書等を整合させます。
未加入、未納、届出漏れ等がある場合に、理由書を添えれば必ず更新できるという取扱いはありません。関係行政機関や税理士、社会保険労務士等の担当分野を確認し、現在の事実、適用関係、是正・納付状況と申請資料を個別に整理します。在留期間の更新が許可されることを保証するものではありません。
記入前のチェックリスト
- 認定・変更・更新のどの申請か確認した
- 所属機関カテゴリーを確認した
- 出入国在留管理庁の親ページから最新版の様式を取得した
- 実際の事業に必要な許可、認可、免許、登録、届出等を確認した
- 許可証等の名義、所在地、有効期間が現状と一致している
- 日本語能力を誰のどの資料で証明するか決めた
- 法人・個人事業、従業員や雇用形態等に応じた保険・税の適用関係を確認した
- 説明書と許可証、決算書、登記、雇用資料、保険・納税関係資料等に矛盾がない
- 不明点、未加入、未納、届出漏れ等を申請直前まで放置していない
よくある誤解
「参考様式」だから提出しなくてよい
参考様式という名称だけで提出不要とは判断できません。自分の申請区分と所属機関カテゴリーに対応する、最新版の提出書類一覧を確認します。
説明書だけ提出すれば立証資料は不要
説明書は、事実を整理するための書類です。許可証、日本語能力の証明、税・保険関係資料など、記載を裏付ける資料との整合が重要です。
未納の理由を書けば必ず更新できる
説明だけで許可が保証されるものではありません。適用関係、未納等が生じた経緯、現在の是正・納付状況を確認し、必要な資料と対応を個別に整理します。
認定・変更・更新で同じ様式を使える
認定・変更用と更新用では、確認項目も様式も異なります。申請区分に合う現行様式を使用します。
一度保存した公式様式を次回も使える
制度改正や提出書類一覧の更新により、様式や必要資料が変わることがあります。過去に保存したファイルをそのまま流用せず、申請時点で親ページから取得します。
最新情報の確認先
本記事は2026年8月31日時点で、次の出入国在留管理庁の一次情報を確認して作成しています。制度、様式、所属機関カテゴリー、提出資料は変更されることがあるため、実際の申請時には親ページから最新版をご確認ください。
- 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」
- 出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」
- 「申請に当たっての説明書」認定・変更申請用
- 「申請に当たっての説明書」更新申請用
- 認定・カテゴリー3/4の提出書類チェックシート
- 変更・カテゴリー3/4の提出書類チェックシート
- 更新・カテゴリー共通の提出書類チェックシート
関連ページ
- 経営・管理の在留資格 - 改正後の要件、申請の流れ、支援内容と料金を案内しています。
- 在留資格・外国人雇用 - 認定・変更・更新を含む在留資格手続の入口です。
- 料金案内 - 在留資格申請に関する当事務所報酬をご確認いただけます。
- お問い合わせ - 申請区分や必要書類が分からない段階でも、現在の状況から整理します。
まとめ:説明書と裏付け資料を一緒に確認する
「申請に当たっての説明書」は、書式を埋めることだけが目的ではありません。認定・変更用と更新用を取り違えず、許認可、日本語能力、公租公課について、現在の事実と証明資料を一致させるための確認が重要です。
当事務所では、在留資格「経営・管理」の申請区分、所属機関カテゴリー、事業内容を確認し、必要な様式と資料を整理します。個別の許可を保証するものではありませんが、未対応事項や資料の食い違いを申請前に確認できます。
経営・管理の申請資料を整理します
初回のお問い合わせでは、認定・変更・更新の別、現在の在留状況、会社・事業の概要を分かる範囲でお知らせください。在留カード番号、旅券番号、個人番号、納税証明書、決算書、保険関係資料、銀行資料その他の機密情報は送らないでください。
よくある質問
「申請に当たっての説明書」は、すべての「経営・管理」申請で必要ですか。
すべての申請人に一律に必要とは限りません。現行の提出書類一覧では、認定・変更・更新について、所属機関カテゴリー3・4の提出欄に説明書が示されています。申請区分、所属機関カテゴリー、個別事情によって必要資料は異なるため、出入国在留管理庁の親ページから最新版の提出書類一覧を確認します。
認定・変更・更新で同じ様式を使えますか。
認定・変更用と更新用では様式が異なります。更新用には公租公課の履行状況に関する確認欄もあります。一度保存した様式を流用せず、申請時点の公式ページから該当する最新版を取得してください。
許認可が不要な事業では、何を確認すればよいですか。
まず、実際の事業内容について許可、認可、免許、届出等が本当に不要かを所管行政庁の情報等で確認します。不要と判断する場合も、事業内容と判断根拠を整理し、説明書と定款、登記、事業計画等の記載を一致させることが大切です。
税金や保険料に未納がある場合、理由を書けば更新できますか。
理由を書くだけで更新が認められるとはいえません。まず法人・個人事業、従業員や雇用形態等に応じた適用関係と現在の納付状況を確認し、必要に応じて関係行政機関や各分野の専門家へ相談します。是正や納付をした場合も、申請資料との整合を個別に整理する必要があり、許可は保証されません。



