経営・管理

改正後の「経営・管理」要件に沿って、事業と申請の準備を整理します

2025年10月16日から許可基準等が改正されました。現在の基準に沿って、会社・申請者・事業計画の三つの方向から、事業を始めて継続できる準備が整っているかを確認します。

会社設立と在留資格審査は別の手続です。設立だけで許可されるものではありません。

2025年10月16日施行

会社・申請者・事業計画の3方向から要件を確認します

次の三つは、制度上の正式な区分ではなく、相談者が現行要件を理解しやすくするためのページ上の整理です。一つの項目だけでなく、複数の要件を組み合わせて確認します。

A. 事業・会社側

  • 3,000万円以上の事業規模
  • 対象となる常勤職員1人以上
  • 事業所と事業の実体
  • 事業の安定性・継続性

B. 申請者本人側

  • 経営・管理に関する経験又は学歴
  • 実際に行う経営・管理活動
  • 申請者又は常勤職員の日本語能力
  • 管理者として雇用される場合の報酬

C. 計画・事業内容

  • 事業内容、取引先、売上・収支見込み
  • 資金、人員、設備、許認可
  • 事業計画の具体性・実現可能性
  • 必要となる専門家の確認

改正後の新規申請では、3,000万円以上の事業規模と対象となる常勤職員1人以上の雇用は、選択制ではなく両方を満たす必要があります。これらだけで許可されるものではありません。

事業・会社側

事業規模は3,000万円基準を含めて確認します

  • 株式会社:払込済みの資本金額が3,000万円以上かを確認します。
  • 合名会社・合資会社・合同会社:出資総額が3,000万円以上かを確認します。
  • 既存会社:既存会社でも、現在の資本金額・出資総額を登記事項、貸借対照表、資金形成の経緯などから確認します。
  • 個人事業:事業所の確保、常勤職員の1年分の給与、設備投資など、事業のために投下された総額を資料で確認します。

法人では、資本準備金・資本剰余金・利益剰余金や、給与・事業所維持費を資本金等へ足して基準を満たす扱いではありません。また、複数の会社の資本金等を合算するものでもありません。

資金の額だけで判断しません

3,000万円基準は、申請者本人が3,000万円全額を自己資金で出すことだけを意味しません。一方で、誰がどのように出資・投下したか、資金が実際に事業へ使えるかを説明する必要があります。

出資や送金の記録、預金・契約・会計資料、事業計画との整合を確認します。会社買収では、買収価格がそのまま3,000万円基準へ算入されるとは扱わず、買収後の会社の現在の状態を確認します。

3,000万円を用意したことだけで許可されるものではありません。常勤職員、日本語能力、本人の経験・学歴、事業計画、事業所など、ほかの現行要件も審査されます。

雇用体制

常勤職員の雇用要件も確認します

申請者など経営・管理に従事する方とは別に、日本に居住する常勤職員を1人以上雇用する必要があります。申請者本人は、常勤職員1人の要件には含められません。

この雇用要件で対象となるのは、日本人、特別永住者又は「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格で在留する方です。「技術・人文知識・国際業務」など別表第一の在留資格で働く方は、この雇用要件には含まれません。

雇用の実態を資料で確認します

非常勤・短時間勤務者を当然に常勤職員として数えることはできません。所定労働日数・時間、給与、雇用契約、勤務場所、雇用保険など、継続した勤務の実態を確認します。

更新では、労働関係法令、最低賃金、社会保険・労働保険の加入や納付状況なども、事業運営の状況に応じて確認されます。

日本語能力

申請者又は常勤職員にB2相当以上が必要です

申請者又は常勤職員のいずれかに、日本語教育の参照枠におけるB2相当以上の日本語能力が必要です。申請者本人だけに限られず、雇用要件を満たす常勤職員とは別の常勤職員が日本語要件を満たす場合もあります。

外国人については、JLPT N2以上、BJT 400点以上、日本での在留歴・学歴など、公式に示された方法で立証します。どの資料が使えるかを申請時点の案内で確認します。

経験・学歴

申請者本人の経営経験・学歴等も確認します

申請者には、経営管理分野又は今回の事業に必要な技術・知識分野の博士・修士・専門職学位(外国の相当学位を含みます)、又は事業の経営又は管理について3年以上の経験のいずれかが必要です。

学位証明書、履歴書、在職証明書などにより、学んだ分野や経験の内容と、今回行う事業・経営活動との関係を確認します。管理者として雇用される場合は、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬も必要です。

事業計画

内容と実現可能性まで確認します

事業計画では、何を誰に提供するのか、売上・経費の見込み、資金、人員、事業所、仕入先・販売先、許認可、継続して事業を行える根拠を整理します。文章を整えるだけでなく、契約や見積り等の資料と計画が一致していることが大切です。

在留資格決定時に事業計画書を提出する場合、具体性、合理性、実現可能性について、制度上求められる専門家の評価・確認を受けます。申請区分と所属機関カテゴリーに応じて最新の提出書類を確認します。

専門家確認と行政書士業務を分けます

2026年8月確認時点の確認者は、日本の中小企業診断士、公認会計士又は税理士です。申請会社の役員・従業員は確認者になれません。外部顧問の公認会計士・税理士は確認者になれます。

行政書士資格だけで専門家確認者となるものではありません。当事務所は在留資格の要件確認、申請資料と事業計画関係資料の整理を担当し、制度上必要な専門家確認は対象資格を持つ外部専門家と役割を分けます。

専門家確認が一律に毎回の更新で必要とは表示しません。申請区分、所属機関カテゴリー、経過措置及び最新の提出資料一覧を確認します。

事業所

実際に事業を行う事業所を確認します

日本国内に事業所を確保し、所在地、使用権原、賃貸借契約の用途、独立性、設備、広さ、事業内容との整合、実際の利用状況を説明できるようにします。

バーチャルオフィス、シェアオフィス、レンタルオフィスという名称だけで可否を決めず、専用・独立した区画、契約、設備、業務実態を個別に確認します。

自宅兼事務所の場合

改正後の取扱いでは、住居と事業所の兼用は原則として認められないとされています。ただし、「自宅」という名称だけで結論を出さず、物件の構造、居住部分と事業部分、賃貸借契約、貸主承諾、用途、独立性、設備、来客や業務の実態を確認します。

物件・契約等を個別に確認します。事業所として使用できない契約を避けるため、可能であれば賃貸借契約の締結前にご相談ください。

新規・変更・更新で確認する内容が異なります

COE・新規

海外から日本へ来て、新たに経営・管理活動を始めるケースです。改正後の基準を前提に、会社・申請者・事業計画・事業所を確認します。COE交付後の査証申請・上陸手続は別です。

在留資格変更

日本国内で別の在留資格から「経営・管理」へ変更するケースです。会社設立の有無だけでなく、実際に経営活動を始められる状態かを確認します。

在留期間更新

既に「経営・管理」で在留しているケースです。事業実績、売上・財務、納税、社会保険、事業所、雇用、許認可、改正後基準及び経過措置を案件に応じて確認します。

会社設立と在留資格は別の審査です

会社設立登記が完了しても、「経営・管理」が自動的に許可されるわけではありません。資本金等を満たしていても、ほかの要件を満たさなければ許可されるとは限りません。

法人設立手続と在留資格申請は、目的、要件、審査機関が異なります。会社設立前から在留資格要件を確認し、事業内容、資本、雇用、事業所を矛盾なく準備します。会社設立手続は会社設立支援をご覧ください。

改正前から在留する方には経過措置があります

改正の施行時に既に「経営・管理」で在留していた方は、2028年10月16日までの更新申請について、改正後の要件を満たしていないそのことだけをもって、一律に不許可となるものではありません。

経営状況と改正後基準へ適合する見込みなどを含めて総合的に審査され、専門家の評価を受けた文書を求められる場合があります。2028年10月17日以後の更新も、事業・納税等の状況と次回更新までに要件を満たす見込みを含め、公式案内に沿って個別に確認します。

既存在留者が永久に旧基準で更新できることや、直ちに3,000万円へ増資しなければ更新できないことを意味しません。早めに現在の不足事項と対応時期を整理します。

ご相談から申請までの流れ

  1. 01

    お問い合わせ

    本人又は会社関係者から、分かる範囲で現在の状況と希望をお知らせいただきます。初回フォームへ機密資料は送らないでください。

  2. 02

    現在の在留状況・申請区分を確認

    現在の在留資格、在留期限、日本での在留状況を確認し、COE・変更・更新のどの申請かを整理します。

  3. 03

    会社・事業内容・資金・人員を確認

    会社形態、事業内容、資本金等、常勤職員、事業所、予定する経営・管理活動を確認します。

  4. 04

    改正後の経営・管理要件を確認

    事業規模、常勤職員、日本語能力、経験・学歴、事業計画、事業所など、該当する要件を確認します。

  5. 05

    事業計画・事業所・必要資料を整理

    資金、雇用、本人経歴、事業所、事業計画の資料と、制度上必要となる専門家確認を整理します。

  6. 06

    COE・変更・更新申請

    申請区分に応じて書類を作成し、申請等取次又は在留申請オンラインシステムによる手続を行います。

  7. 07

    審査・追加資料・結果確認

    追加資料の依頼があれば内容を確認して対応し、結果と許可後に必要な手続をご案内します。許可を保証するものではありません。

審査期間は案件と審査状況により異なります。申請期限や事業開始予定から逆算して準備します。

主な準備資料を4つに分けて確認します

必要資料は、申請区分、所属機関カテゴリー、会社・事業の状態及び本人の経歴によって異なります。次は完全な固定リストではありません。

A. 申請者本人関係

  • パスポート・在留カード
  • 学位・学歴を示す資料
  • 履歴書・在職証明書等の経歴資料
  • 日本語能力を示す資料
  • 申請区分ごとに必要となる資料

B. 会社・事業関係

  • 登記事項証明書・定款
  • 出資・資本金と形成過程の資料
  • 株主・社員構成、雇用関係資料
  • 決算・税務・社会保険関係資料
  • 契約、取引、許認可に関する資料

C. 事業所関係

  • 賃貸借契約書・使用承諾
  • 物件写真・平面図
  • 用途、独立性、設備、利用状況を示す資料

D. 事業計画関係

  • 事業計画・売上・収支計画
  • 仕入先・販売先・取引予定の資料
  • 資金・人員・設備の根拠資料
  • 許認可と専門家確認に関する資料

当事務所が行うことと、お客様にお願いすること

行政書士の支援範囲

在留状況・申請区分と改正後要件の確認、必要資料と事業所資料の整理、申請書・理由書・説明資料の作成支援、補正・追加資料対応、更新案件の経過措置確認を行います。

申請等取次・オンライン申請

当事務所は申請等取次行政書士として届出済みで、在留申請オンラインシステムを利用したオンライン申請に対応しています。利用可否、入力方法、書類提出方法は申請時点の運用と個別状況を確認してご案内します。

お客様にお願いすること

本人の経歴・在留情報、出資・資金、会社、事業所、雇用、事業内容、収支計画の基礎となる事実と資料をご提供ください。必要に応じて対象資格を持つ外部専門家へご相談いただきます。

経営・管理の料金

行政書士報酬と許可時の入管手数料(行政手数料)を分けて表示します。

経営・管理の料金
申請区分行政書士報酬行政手数料
在留資格認定証明書交付申請(COE)275,000円(税込)0円
在留資格変更許可申請275,000円(税込)窓口6,000円/オンライン5,500円
在留期間更新許可申請110,000円(税込)窓口6,000円/オンライン5,500円

専門家による事業計画確認、会社設立、登記、税務・労務、許認可、翻訳、証明書取得、郵送その他の外部費用は行政書士報酬に自動包含せず、案件別にご案内又はお見積りします。2026年10月1日に入管手数料制度の改定が予定されているため、入管手数料は申請時・公開直前に再確認します。

他士業・外部専門家との役割分担

行政書士だけで完結するものではありません。必要な業務を分けてご案内します。

行政書士

在留資格要件、必要資料、申請書・理由書・説明資料、申請等取次・オンライン申請を担当します。

司法書士

会社・法人の設立、役員変更その他の登記を担当します。

税理士

税務相談、税務申告、会計・税務面の対応を担当します。

社会保険労務士

雇用、労務及び社会保険に関する業務を担当します。

事業計画の専門家確認者

制度上必要な事業計画の確認は、中小企業診断士、公認会計士又は税理士が担当し、行政書士業務とは別に契約・費用を確認します。

注意事項・最新情報

Privacy Notice

初回の一般問い合わせフォームには、在留カードやパスポートの全面画像、在留カード番号、旅券番号、銀行残高資料、出資金資料、個人番号、税務資料、契約書、決算書、認証情報その他の機密資料を入力・添付しないでください。

まず相談内容を確認し、必要となる資料と安全な提出方法を個別にご案内します。

よくある質問

事業規模が3,000万円以上であれば必ず許可されますか。

いいえ。3,000万円は現行要件の一つです。常勤職員、日本語能力、申請者の経験・学歴、事業計画、事業所、事業の実体・継続性なども審査されます。資金形成の経緯を説明する資料も確認します。

一人会社でも申請できますか。

改正後の新規申請等では、申請者など経営・管理に従事する方とは別に、対象となる常勤職員を1人以上雇用する必要があります。役員数だけでなく、職員の身分・在留資格と雇用実態を確認します。

日本語能力は経営者本人だけに必要ですか。

申請者又は常勤職員のいずれかがB2相当以上の日本語能力を満たす仕組みです。申請者本人だけに限られず、常勤職員要件を満たす方と日本語要件を満たす方が別人となる場合もあります。証明方法を資料で確認します。

会社設立を依頼すればビザも取得できますか。

会社設立登記と「経営・管理」の在留資格審査は別の手続です。設立や資本金だけで許可されるものではなく、在留資格要件を会社設立前から確認することが大切です。

自宅兼事務所でも申請できますか。

改正後の取扱いでは住居と事業所の兼用は原則として認められないとされています。物件の構造、契約、貸主承諾、用途、独立性、設備、事業実態を個別に確認するため、契約前にご相談ください。

改正前から「経営・管理」で在留しています。更新できますか。

2028年10月16日までの経過措置がありますが、自動的な更新を意味しません。事業状況と改正後基準への適合状況・見込みを含めて審査されるため、不足事項と必要資料を早めに確認します。

既存会社を買収して経営する場合も申請できますか。

会社の買収だけで許可されるとは限りません。既存会社の現在の資本金・出資、財務、事業実体、雇用、事業所、申請者が行う経営活動などを資料で確認します。買収価格がそのまま3,000万円基準に算入されるとは扱いません。

事業計画は誰の確認が必要ですか。

申請区分や所属機関カテゴリーにより事業計画書の提出が必要な場合、具体性・合理性・実現可能性について、日本の中小企業診断士、公認会計士又は税理士の確認を受けます。行政書士資格だけでこの確認者になるものではありません。

改正後の要件に沿って、事業計画と申請準備を整理します。

現在の在留状況、事業内容、資本、雇用、事業所、経歴を分かる範囲でお知らせください。初回フォームには身分証明書や機密資料を送らないでください。