ネットで中古品の売買を始めようとすると、古物商許可の申請書にある「ホームページを利用して取引を行うか」「送信元識別符号」という欄で手が止まりやすいものです。自社サイトなら分かりやすい一方、メルカリやYahoo!オークションなどのプラットフォームを利用する場合は、何をURLとして届け出るのか迷うことがあります。
ここで確認するのは、単にウェブサイトを持っているかどうかではありません。古物を掲載するページのURL、申込みを受ける方法、そのURLを継続して使えるか、そして申請者に使用権限があるかを整理します。本記事では、大阪府警察へ申請・届出する場合を中心に、URL届出の判断と必要資料を説明します。
古物商許可の「URL届出」とは
「URL届出」は実務上よく使われる呼び方です。法令では、古物商が取り扱う古物に関する事項をウェブサイトで公衆に閲覧させ、電話、メール、郵便など対面しない通信手段で取引の申込みを受ける方法を用いる場合に、そのウェブサイトの送信元識別符号、つまりURLを申請・届出する仕組みになっています。
したがって、会社案内や事務所案内のウェブサイトを開設しただけで、直ちにURL届出が必要になるわけではありません。警察庁の解釈運用基準では、古物の売買・交換等の申込みの誘引が行われていないサイトは対象外とされています。中古品の写真や価格を掲載して購入等の申込みを受けるページと、所在地や営業時間だけを案内するページは分けて考えます。
新規申請時にネット取引を始める場合
許可申請時にすでにウェブサイト等を開設し、ホームページ利用取引を行う予定であれば、許可申請書に「用いる」と記載し、URLと使用権限を確認できる資料を添付します。大阪府警察の記載例では、ウェブサイトが未開設の場合、将来使う予定のURLを推測して書くのではなく、新規申請では「用いる」とせず、開設後に変更届を提出する扱いが案内されています。
許可後にネット取引を始める場合
許可を受けた後にネット販売を始めた場合や、届出済みURLを追加・変更・削除した場合は、事後の変更届を行います。大阪府警察の現行案内では、変更の日から原則14日以内です。その変更について登記事項証明書の添付が必要な場合は20日以内とされていますが、URLだけの開始・変更・削除は通常、14日以内の届出として準備します。他の変更も同時に生じている場合は、必要書類と期限を管轄警察署へ確認してください。
URL届出が必要になる典型例
典型的なのは、次のような方法で中古品の取引申込みを受ける場合です。
- 自社ECサイトに中古品、価格、申込方法を掲載して注文を受ける
- 固定URLを持つネットショップで中古品を継続して販売する
- オークションサイト上のストアなど、一定のURLを反復継続して使って申込みを受ける
- ウェブ上で古物の情報を見せ、電話やメール等の非対面手段で購入・交換の申込みを受ける
ここで大切なのは、「ネットに商品を載せた」という一点だけでなく、古物に関する情報を公衆へ見せ、申込みを誘引し、非対面で申込みを受ける方法かという組合せです。自社サイトや固定URLのオンラインストアは、その関係を把握しやすい例です。
なお、URL届出は、古物商許可が必要かどうかを決める手続ではありません。自分で使用していた物を処分する場合と、転売目的で古物を仕入れて売買する営業では前提が異なります。まず許可の要否を確認したい方は、転売と古物商許可の記事もご覧ください。
メルカリ・Yahoo!オークション等で判断するときのポイント
メルカリやYahoo!オークションなどは、サービス名だけで「届出が必要」「届出は不要」と結論づけることができません。通常の個別出品、ショップやストアとしての利用、固定プロフィール・ストアURLの有無など、使い方によって確認事項が変わるためです。
判断するときは、少なくとも次の点を整理します。
- 出品者又はストアとして一定のURLを継続して使えるか
- そのURLで中古品の売買・交換等の申込みを誘引しているか
- 購入操作、メッセージ、メール等の非対面手段で申込みを受けるか
- そのURLと出品者・申請者との関係を示す資料を用意できるか
- 個別の商品ページだけか、固定のショップ・ストアページがあるか
警察庁の解釈運用基準では、個々の情報ごとにURLが無作為に割り当てられ、古物商が一定のURLを反復継続して使えない掲示方法は、URL届出の対象外とされています。一方、大阪府警察は、オークションサイトにストアを出店する場合をURL届出の例として案内しています。
プラットフォームの画面やURLの仕組みは変更されることがあります。申請時には、利用形態が分かる画面と実際のURLを用意し、どのURLを届け出るか、どの資料で使用権限を示すかを管轄警察署へ確認するのが確実です。
URL届出が不要となり得るケース
次のような場合は、URL届出の対象にならない可能性があります。
- 古物の申込みを誘引せず、事務所情報やサービス概要だけを掲載するサイト
- 個々の掲載情報に無作為なURLが付与され、一定のURLを反復継続して使えない掲示方法
- ウェブサイト等を使わず、店舗で対面取引だけを行う場合
ただし、サイト内の「商品紹介」から電話・メール等の申込みへつながる構成であれば、単なる案内サイトとは異なる可能性があります。また、SNSやプラットフォームの機能は多様です。名称だけで判断せず、古物の見せ方と申込みの受け方を具体的に確認してください。
URL使用権限の疎明資料
URLを届け出る場合は、申請者がそのURLを使用する権限を持つことを疎明する資料が必要です。これは、記載したURLと申請者の関係を確認するための資料です。
大阪府警察は、主に次の資料を案内しています。
- プロバイダ等から交付されたドメイン・URL割当通知書等の写し
- ドメイン検索又はWHOIS検索を行い、登録者を確認できる検索結果の印刷物
- 登録者が申請者と異なる場合のURL使用承諾書
プロバイダ発行資料については、登録者名、ドメイン、発行元が確認できる郵送又はFAXの書面が案内されており、メールやオンライン管理画面の印刷だけでは不十分とされています。一方、WHOIS等の検索結果は候補として明記されています。似た画面でも目的が異なるため、単なる契約管理画面を出せば足りるとは限りません。
また、個人名義と法人名義が異なる場合、制作会社や家族の名義でドメインを取得している場合、プラットフォーム運営者がドメインを所有している場合は、申請者がURLを使用できる関係をどう示すか追加確認が必要です。IDやパスワード等が資料に含まれる場合は、警察庁の解釈運用基準に沿って不要な秘密情報を消し、必要な部分だけを提出します。
「この資料なら必ず受理される」とは一律に言えません。資料を取り寄せる前に、申請者名、URL、発行元又は登録者の関係が確認できるかを見て、必要に応じて管轄警察署へ相談してください。
申請書・変更届へのURLの書き方
申請書には、疎明資料に記載されたURLを正確に記載します。手書きの場合、英字は活字体で書き、数字や英字など誤読されやすい文字には適宜ふりがなを付けます。欄に収まらないときは、別紙に印字して添付できます。警察庁の現行解釈では、ワープロソフト等でURLを印字した別紙を添付する場合、URL欄への記載とふりがなは不要とされています。
入力時は、次の点を資料と照合してください。
https://を含む届出対象URL全体wwwの有無、subdomain、末尾のpath- ハイフン、underscore、数字等の誤読しやすい文字
- 旧URLの削除と新URLの追加を行う場合の新旧対応
未開設のサイトは画面や利用実態を確認できません。大阪府警察の記載例どおり、開設前のURLを新規申請へ見込みで書かず、開設後の変更届として整理します。
届出後にウェブサイトへ表示する事項
URLを届け出ることと、ウェブサイト上に許可情報を表示することは別の義務です。固定URLを持つウェブサイトやオークションストアで古物を取引する古物商は、ウェブサイトの見やすい場所に次の3点を表示します。
- 古物商の氏名又は法人名称
- 許可をした公安委員会の名称
- 許可証の番号
2024年4月1日からは、古物商・古物市場主が管理する一般的なウェブサイトについても同様の表示義務が設けられ、常時使用する従業者が5人以下である場合又は管理するウェブサイトを持たない場合には免除があります。ただし、固定URLでインターネット取引を行う古物商には、従業員数にかかわらず従来どおり表示が必要です。小規模事業者の一般的な免除を、URL届出やネット取引時の表示まで不要になる制度と混同しないようにしてください。
古物商許可申請書メーカーで作れる範囲
古物商許可申請書メーカーは、フォームへ入力した内容から、古物商許可申請書、誓約書、略歴書等のPDF作成を支援するセルフサービスです。個人申請・法人申請、営業所複数、URL利用あり・なしに対応しています。
一方、次の資料や作業はツールだけでは完了しません。
- URL使用権限を確認する疎明資料
- 住民票の写し、身分証明書
- 法人の登記事項証明書、定款
- 入力内容と添付資料の整合確認
- 管轄警察署への提出と、追加資料・補正への対応
申請書メーカーは書類作成部分を進めるための選択肢であり、許可の要否やURL届出の個別判断、許可取得を保証するものではありません。ご自身で進める場合も、出力したPDFと添付資料を提出前に確認してください。
まとめ:URL届出は取引方法から整理します
古物商許可のURL届出では、ウェブサイトやサービスの名前よりも、古物に関する情報をどう掲載し、どのURLを継続して使い、どの方法で申込みを受けるかが重要です。新規申請時にサイトが未開設なら開設後の変更届とし、許可後に始める場合は大阪府警察の期限を確認して準備します。
自社サイトや固定ストアURLは比較的整理しやすい一方、プラットフォーム上の通常出品やショップ機能は、画面・固定URL・申込方法・使用権限資料を個別に確認する必要があります。迷ったときは、実際の画面とURLを示して管轄警察署又は専門家へ確認してください。
最新情報の確認先
本記事は2026年9月2日に、次の一次情報と公式サービス情報を確認しています。法令、様式、警察署の運用及びプラットフォームの仕様は変わる可能性があるため、申請・届出時点の最新情報をご確認ください。
- e-Gov法令検索「古物営業法」
- e-Gov法令検索「古物営業法施行規則」
- 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」(令和8年5月14日)
- 大阪府警察「古物商許可申請」
- 大阪府警察「変更届出(事後届出)」
- 大阪府警察「URL届出添付書類」
- 大阪府警察「ウェブサイト上における氏名等の掲載義務について」
よくある質問
メルカリやYahoo!オークションを使う場合、必ずURLの届出が必要ですか。
サービス名だけでは一律に判断できません。固定URLを反復継続して使えるか、そのページで古物の申込みを誘引し、非対面の方法で申込みを受けるかなどを確認します。ストア、通常出品その他の利用形態によって事情が異なるため、実際の画面とURLを示して管轄警察署へ確認してください。
許可を取った後からネット販売を始める場合はどうしますか。
許可後にホームページ利用取引を始める場合は、URLの使用権限を確認できる資料を準備し、変更届を提出します。大阪府警察の現行案内では変更日から原則14日以内で、登記事項証明書の添付が必要な変更は20日以内です。URLだけの変更か他の変更も伴うかを確認してください。
ドメインやショップの登録名義が申請者と異なっていても届出できますか。
名義が異なる場合は、申請者がそのURLを使用できる関係を追加資料で示す必要があります。大阪府警察は登録者からのURL使用承諾書を案内していますが、プラットフォームのURLなど資料の整え方が異なる場合もあるため、提出前に管轄警察署へ確認してください。
古物商許可申請書メーカーでは何を作れますか。
入力内容から古物商許可申請書、誓約書、略歴書等のPDFを作成できます。URL使用権限を確認する資料、住民票、身分証明書、法人の登記事項証明書や定款等は自動取得されず、申請者の状況に応じて別途準備が必要です。
関連ページ
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