まず、なくしたのが「提出済みの控え」か確認する
書類が手元にないときは、申告した時期、提出方法、依頼した税理士の有無を思い出し、保存ファイルやe-Taxの受信通知と照合します。作成途中のPDFが残っていても、それだけで提出済みとは判断できません。修正申告等をしている場合は、どの版の資料かも確認してください。
申告をしていなかった、提出したか分からない、申告内容の訂正が必要といった場合は、税務署または税理士へ相談します。期限後申告・修正申告・更正の請求などの税務判断と、建設業許可に向けた資料整理は分けて進めます。
控えを作るためだけに、同じ申告書をもう一度提出する方法はとらないでください。 一般に「再発行」と呼ばれることもありますが、ここで案内するのは、提出済み申告書の情報や写しを取得する手続です。
取り寄せる前に、何年分・どのページが必要かを決める
確定申告書を使う場面は、常勤役員等の経営経験、営業所技術者等の実務経験に関する確認、現在の常勤性、決算変更届の準備などで異なります。用途を混ぜず、申請先と要件に対応する資料を整理します。
大阪府の令和8年3月改訂版手引きでは、個人事業での経営経験について、営業の実態を確認する資料として所得税確定申告書第一表などが挙げられています。ただし、第一表だけを取り寄せれば全ての確認が終わるわけではありません。申告状況等に応じた第二表、青色申告決算書・収支内訳書、電子申告の受信通知などの必要性も確認します。
さらに、建設工事の契約書、注文書・請書、請求書等による工事実績の確認は別に必要です。確定申告書に事業収入があることだけで、本人が必要な期間の経営経験を満たすとは限りません。常勤役員等の経験と証明資料も併せて確認してください。
必要なのは、全員一律の5年分・6年分ではなく、使う経験類型と始期・終期に対応した資料です。期間の数え方によって追加年度が必要になる点は、確定申告書が6年分必要になるケースで解説しています。
再入手方法の違いを比較する
次の表は、2026年9月22日時点の国税庁等の案内を基に整理したものです。所要時間は受取りを保証する期限ではありません。スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 方法 | 主な対象 | 目安 | 手数料 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 保存データ・紙控え | 自分で保管している資料 | 見つかればすぐ確認 | 取得手数料なし | 提出済みの内容か、修正等の有無を確認 |
| e-Taxの受信通知等 | e-Taxで送信した申告書等 | 即日取得できる場合あり | 無料 | 申告書と受信通知の両方を確認 |
| 申告書等情報取得サービス | 個人の所得税申告書・青色申告決算書・収支内訳書 | 数日 | 無料 | 本人のマイナンバーカード、対象年度等の条件あり |
| 申告書等閲覧サービス | 過去の申告内容や提出事実等の確認 | 来署前に税務署へ確認 | 原則無料 | 第三者への回答等の目的では閲覧不可 |
| 保有個人情報の開示請求 | 税務署が保有する本人の申告書等の個人情報 | 写しの交付は1か月程度。延長等あり | 行政文書1件300円、オンライン200円 | 対象文書の特定・本人確認が必要。法人申告書は対象外 |
写しの郵送を希望する場合の送料などは別途確認します。税理士に保管資料の確認等を依頼する場合の対応・費用は、依頼先へ確認してください。
保存データ・税理士保管・e-Taxから探す
まず、パソコンやスマートフォンのダウンロード先、会計ソフトから出力したPDF、申告時の紙ファイルを探します。税理士に申告を依頼していた場合は、必要な所得年と書類名を伝え、保管データの有無を確認しましょう。
e-Taxで提出した申告書等は、メッセージボックスの受信通知から表示・印刷・ダウンロードできるものがあります。申告書だけでなく、受付番号・受付日時等を確認する受信通知も保存します。個人が利用者識別番号とパスワードだけでログインした場合には確認範囲に制限があり、詳細の確認に電子証明書による認証が必要な場合があります。
保存先が見つからないだけで、直ちに税務署での開示請求が必要になるわけではありません。操作は国税庁の申告書等の確認方法から、ご自身の申告方法に対応する案内を確認してください。
紙で提出した個人の申告書も、情報取得サービスの対象になる
「申告書等情報取得サービス」は、e-Taxソフト(WEB版)を使って、対象の申告書等をPDFで取得する無料のサービスです。紙で提出したものも対象となり、電子申告した書類の受信通知を直接確認する方法とは別の仕組みです。e-Taxのサービス案内で手順を確認できます。
- 対象は、個人の所得税確定(修正)申告書、青色申告決算書、収支内訳書です。
- 対象年度は直近3年分(令和2年分以降)です。令和2年以降の全年度を無制限に取得できる、という意味ではありません。
- 申請・取得には本人のマイナンバーカードが必要です。代理人や相続人は利用できません。
- 申請からPDFの格納までは数日かかります。土日祝日等を除く期間が目安で、確認により長くなる場合もあります。
- 前年分は原則として翌年の5月1日以降に申請できます。例えば令和7年分は令和8年5月1日以降ですが、期限後に申告した場合はさらに時間がかかることがあります。
- 申告書に添付した書類が全て取得できるわけではありません。必要なページとサービスの対象範囲を照合します。
これらの条件はe-Taxのよくある質問で確認できます。古い経験の証明に必要な年分が対象外なら、手元の保管資料や開示請求等を別に検討します。
このサービスで取得するPDFについて、国税庁側は利用用途を制限していません。ただし、それは大阪府の建設業許可で必要な確認が全て済むという意味ではありません。必要な年度・ページ・受付確認資料を満たすかは、申請先へ確認してください。取得PDFの利用用途に関するe-Taxの回答
税務署での「閲覧」は、第三者提出用の写しの取得と分けて考える
申告書等閲覧サービスは、申告書等の作成に必要な過去の内容や、提出事実・提出年月日等を確認するための制度です。所得税・法人税の申告書等が対象となりますが、本人・代理人の確認、保管状況などの条件があります。来署前に所轄税務署へ目的と対象書類を伝えてください。
国税庁は、金融機関や地方公共団体などの第三者からの問合せへの回答等に使用する目的では、閲覧できないと案内しています。「建設業許可へ出すコピーが欲しいので、閲覧して撮影すればよい」とは案内できません。
条件を満たせば写真撮影が認められる場合はありますが、撮影できることと、その画像が許可申請の確認資料として足りることは別です。税務署に実際の利用目的を伝えたうえで、大阪府にも取得方法を含めた資料の取扱いを確認します。利用目的を別のものとして申告するような対応は避けてください。国税庁の閲覧サービス実施要領
早い方法で取得できなければ、保有個人情報の開示請求を検討する
対象年度が情報取得サービスの範囲外、必要な個人の申告書等が保存データから見つからない、といった場合は、税務署が保有する本人の情報について開示請求を検討します。対象文書が保有されていることが前提で、古い年度の全書類が必ず残っているとは限りません。
これは個人情報保護法に基づく手続です。国税庁は、法人の申告書等にはこの開示請求を利用できないと案内しています。法人分は社内・税理士の控えやe-Taxを確認し、内容確認の閲覧については目的と条件を税務署へ相談します。法人成りした方は、個人事業時代の所得税申告書と、設立後の法人税申告書を分けて整理しましょう。国税庁の控えの確認方法に関する案内
請求方法と本人確認
請求先、所得年、申告書の種類、必要ページを特定して、オンライン・郵送・窓口から方法を選びます。国税庁は、確定申告書の開示請求について現在の住所地を管轄する税務署への提出を案内しています。転居や古い資料がある場合も、まず請求先へ確認してください。
窓口では運転免許証、マイナンバーカード、健康保険等の資格確認書など、現行案内に沿う本人確認書類が必要です。郵送では本人確認書類の写しに加え、原則として請求前30日以内に作成された住民票の写し等の原本が必要になります。住民票はマイナンバーの記載がないものを使い、マイナンバーカードの写しは個人番号が記載されていない表面だけとします。
代理人による書面の請求では、代理権限の確認資料等が別に必要です。一方、e-Taxを使うオンラインの開示請求は代理人から申請できません。情報取得サービスの代理利用不可という条件とも混同せず、国税庁の開示請求手続とオンライン申請案内を確認してください。
手数料と受取りまでの期間
開示請求手数料は、個人情報が記録されている行政文書1件につき300円、オンライン申請は200円です。「何年分でも総額300円」とは限らないため、請求対象と文書の数え方を確認します。郵送で写しを受け取る場合は送料も必要です。
開示・不開示の決定は原則30日以内、写しの交付は1か月程度というのが国税庁の案内です。ただし、補正に要する期間や正当な理由による延長等があり、決定の期限と手元に届く日を同じものとして扱えません。「必ず1〜2か月」とも「30日以内に必ず受け取れる」とも決めつけず、通知後の受取方法等を含めて確認しましょう。
収受日付印がない申告書は、申告時期も確認する
国税庁は2025年1月から、申告書等の控えへの収受日付印の押なつを取りやめています。大阪府の令和8年3月版手引きも、令和7年以降の申告分について税務署の受付印は不要としています。「印がないので使えない」とすぐに判断するのは適切ではありません。
ここでいう令和7年以降は申告した時期の話であり、令和7年分の所得からだけを指すものではありません。例えば、令和6年分の所得を令和7年に申告した場合も、申告時期を踏まえて確認します。電子申告では、引き続き受信通知等の確認が必要です。
過去の申告分、紙・電子の違い、第一表の印の有無、第二表の税理士の署名押印など、手引きの該当欄を確認してください。開示請求の写しや情報取得サービスのPDFを使う場合は、開示決定通知書等を併せて提示する必要があるかも大阪府へ確認します。取得方法だけで一律に必要・不要とは判断できません。
納税証明書は税額や所得金額等を確認する資料であり、申告書の記載内容全体や建設工事の実績を示すものではありません。代替資料になるかは確認目的次第です。「いつでも代用できる」「どの場面でも代用できない」のどちらにも一律には決めないでください。
申請準備を進める10の手順
- 欠けている資料を特定する。 第一表・第二表・決算書・収支内訳書・受信通知を分けます。
- 用途と必要年度を確認する。 経営経験、実務経験、常勤性、決算変更届などの目的を整理します。
- 申告済みか確認する。 未申告や訂正の必要があれば、税務署・税理士へ相談します。
- 申告方法を確認する。 紙、本人のe-Tax、税理士による電子申告を区別します。
- 早い取得方法から探す。 保存資料、税理士保管、受信通知、情報取得サービスを確認します。
- 閲覧の目的に合うか確認する。 内容確認と、許可申請用の写しの取得を分けます。
- 必要に応じて開示請求を準備する。 対象文書、請求方法、本人確認、費用と期間を確認します。
- 取得内容を照合する。 所得年、氏名、事業内容、所得区分、ページ、受信通知等を点検します。
- 個人番号を適切にマスキングする。 大阪府へ提示・提出する資料は手引きに従い、番号が見えない状態にします。
- 申請予定を組み直す。 取得に必要な期間を見込み、工事実績等の資料も並行して準備します。
大阪府手引きは、確定申告書等についてマイナンバーの記載がないもの、またはマスキング等で消したものの提示・提出を求めています。原本データは安全に保管し、提出用のコピーで処理します。PDF上に図形を重ねただけで番号が復元・読取りできる状態を残さないよう注意してください。
必要資料は、申請先・経験類型・証明期間・申告方法によって異なり、審査で追加資料を求められる場合があります。他府県や国土交通大臣許可には大阪府の運用をそのまま当てはめず、実際の申請先の最新版を確認します。
控えがないときこそ、取得手続より先に不足範囲を整理する
確定申告書が見つからない場合にも、複数の確認・再入手方法があります。大切なのは、最初から開示請求に決めるのではなく、「何の確認に、どの年分の、どのページが必要か」を明らかにすることです。
一人親方・個人事業主の方は、個人事業で建設業許可を申請する際の要件も確認し、税申告資料だけでなく、経験・技術者・営業所等の準備を並行して進めましょう。
最新情報の確認先
本記事は2026年9月22日時点で、次の一次情報と本文中の国税庁・e-Taxの案内を確認して作成しています。制度、対象年度、手数料、様式や窓口運用は変更されるため、手続時に再確認してください。
よくある質問
確定申告書を紛失したら、必ず個人情報開示請求が必要ですか?
いいえ。保存したPDFや紙控え、申告を依頼した税理士の保管データ、e-Taxの受信通知・申告データを先に確認します。紙提出でも対象となる申告書等情報取得サービスを含め、必要な資料を取得できない場合に開示請求を検討します。
紙で提出した確定申告書もオンラインで取得できますか?
個人の所得税確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書のうち、対象となる直近3年分(令和2年分以降)は、申告書等情報取得サービスでPDFを取得できます。本人のマイナンバーカードが必要で、対象年度、利用開始時期、取得できる書類の範囲を確認してください。
個人情報開示請求はどれくらいかかりますか?
国税庁は、開示・不開示の決定は原則30日以内、写しの交付は1か月程度と案内しています。正当な理由による延長や補正がある場合もあり、30日以内の受取りが保証されるわけではありません。必要年度が分かった段階で早めに準備してください。
税務署で閲覧・撮影した申告書は建設業許可に使えますか?
閲覧サービスには目的の制限があり、第三者への回答等に使う目的では閲覧できないと国税庁は案内しています。撮影したものをそのまま建設業許可の資料に使えるとは限りません。税務署には利用目的を、大阪府には必要年度・ページ・受付確認資料と取得方法を事前に確認してください。
法人の確定申告書も保有個人情報の開示請求で取得できますか?
国税庁は、法人の申告書等には保有個人情報の開示請求を利用できないと案内しています。社内控え、税理士の保管データ、e-Taxを確認し、内容確認のための閲覧サービスは利用目的や条件を税務署へ確認してください。個人の所得税申告書と同じ手続ではありません。
必要年度と不足資料を整理してから、建設業許可の準備を進めます。
当事務所では、経歴とお持ちの資料を確認し、建設業許可で確認が必要な期間・資料を整理します。税務申告の要否や訂正などの税務判断は、税務署または税理士へご相談ください。資料確認は許可や審査結果を保証するものではありません。
通常のお問い合わせフォームには、確定申告書、本人確認書類、マイナンバーを添付・送信しないでください。まずは必要な年分や不足する書類名などの概要だけをお知らせください。資料の安全な受渡方法は個別にご案内します。




